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緑ナンバーアルファードとは?取得条件と用途を解説

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緑ナンバーアルファード

街中で見かける、緑色のナンバープレートを付けたアルファード。その正体や役割について、詳しく知りたいと思ったことはありませんか。この記事では、まず緑ナンバーの基本的な条件・種類について解説し、事業用車両としての位置づけを明らかにします。

その上で、ハイヤーとしての役割とサービスや、2024年8月から都内でサービスが開始された新型アルファードタクシーとは?といった具体的な用途を紹介。また、なぜ芸能人の送迎で使われる理由があるのか、タクシー以外の意外な用途として、霊柩車として利用されるケースにも触れていきます。

さらに、個人で緑ナンバーを取得するにはどうすればよいのか、その際の運用するメリット・デメリット、近年話題になることがある中国人ドライバーが運行する背景まで深掘りします。最後に、緑ナンバーの車検や維持費など、所有する上での現実的なコスト面についても解説し、緑ナンバーアルファードの全体像を明らかにします。

記事のポイント

  • 緑ナンバーアルファードのハイヤーやタクシーといった様々な用途
  • 事業用ナンバーを取得するために必要な厳格な条件
  • 緑ナンバー車両としてアルファードを運用するメリットとデメリット
  • 通常の車とは異なる車検や維持費などコスト面での注意点

緑ナンバーアルファードとは?その役割と用途

緑ナンバーアルファード

  • ハイヤーとしての役割とサービス
  • 新型アルファードタクシーとは?
  • 芸能人の送迎で使われる理由
  • タクシー以外の意外な用途
  • 霊柩車として利用されるケース

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緑ナンバーの基本的な条件・種類

緑ナンバーとは、タクシーやバス、トラックなど、有償で旅客や貨物を運ぶ「事業用自動車」に取り付けられるナンバープレートのことです。一般の自家用車に付けられる白ナンバー(軽自動車は黄色)と区別することで、その車両が営業許可を得て事業を行っていることを示しています。

アルファードが緑ナンバーを付けている場合、それは個人所有の車としてではなく、運輸事業の用に供される車両として正式に登録されていることを意味します。

緑ナンバーを取得するためには、国が定める厳しい条件をクリアし、「一般乗用旅客自動車運送事業」などの許可を得る必要があります。主な条件として、事業を運営するための十分な自己資金、定められた台数以上の車両、営業所や車庫といった施設の確保、そして国家資格を持つ運行管理者や整備管理者の選任などが挙げられます。これらの条件は、輸送の安全と利用者の保護を目的としており、誰でも簡単に取得できるものではありません。

ハイヤーとしての役割とサービス
緑ナンバーを付けたアルファードの最も代表的な役割が、「ハイヤー」としての運用です。ハイヤーは、完全予約制で特定の顧客を送迎する、運転手付きの貸切サービスを指します。

アルファードがハイヤーとして選ばれる最大の理由は、その卓越した快適性と高級感にあります。広々とした室内空間、特に後席の豪華なエグゼクティブシート、優れた静粛性は、企業の役員や海外からのVIP、大切なゲストをもてなすのに最適です。

タクシーとハイヤーは混同されがちですが、サービス内容には明確な違いがあります。

項目 ハイヤー タクシー
営業形態 完全予約制 流し営業・駅待ち・配車アプリ
車両の外観 社名表示灯(行灯)なし、外観は控えめ 社名表示灯(行灯)あり、社名表記
サービス ドアサービスなど、高品質なおもてなし 一般的な送迎サービス
料金体系 営業所からの時間・距離制貸切料金 メーターによる従量課金制

このように、ハイヤーはよりパーソナルで質の高いサービスを提供するための存在です。アルファードの持つ上質なイメージは、こうしたハイレベルな送迎サービスの価値をさらに高める役割を担っています。

新型アルファードタクシーとは?

2024年8月、都内のタクシー会社であるキャピタルモータースが、新型(40系)アルファードを「アルファードタクシー(ジャンボタクシー)」として導入し、大きな注目を集めました。

これは、従来のタクシーのイメージを覆す、新しい形の送迎サービスです。最大6名(乗務員除く)まで乗車可能で、優良乗務員が運転を担当するため、サービスの質も保証されています。

このサービスの登場により、アルファードは以下のような多様なシーンでタクシーとして利用できるようになりました。

空港と都内間の送迎

ゴルフ場への往復

冠婚葬祭でのまとまった人数での移動

企業のゲスト送迎など、ハイヤー代わりの利用

大人数での移動や、スーツケースなどの大きな荷物がある場合でも、アルファードの広い室内空間であれば快適に過ごすことができます。ハイヤーを予約するほどではないけれど、通常のセダンタクシーでは手狭、といったニーズに完璧に応える、まさに「凄い」タクシーと言えるでしょう。

芸能人の送迎で使われる理由

緑ナンバーアルファード
テレビ局やイベント会場の周辺で、緑ナンバーのアルファードが待機しているのを目にすることがあります。アルファードが芸能人や著名人の送迎車(ロケバスや移動車)として絶大な人気を誇るのには、明確な理由があります。

第一に、圧倒的な快適性です。多忙なスケジュールをこなす芸能人にとって、移動時間は貴重な休息時間となります。アルファードの後席は、リクライニングやオットマン機能を備えた豪華なシートが用意されており、身体を伸ばしてリラックスできます。また、優れた静粛性により、車内で集中して仕事の打ち合わせをしたり、仮眠をとったりするのにも最適です。

第二に、プライバシーの保護です。ハイヤーとして使われる緑ナンバーのアルファードは、外観に社名表示灯(行灯)などがなく、一見すると事業用車両とは分かりにくいデザインになっています。これにより、ファンやメディアの目を気にすることなく、プライベートな空間を保ったまま移動することが可能です。

これらの理由から、快適な移動とプライバシー確保を両立できる緑ナンバーのアルファードは、芸能界において欠かせない移動手段の一つとなっています。

タクシー以外の意外な用途

緑ナンバーのアルファードは、ハイヤーやタクシーといった旅客輸送以外にも、その特性を活かした意外な用途で活躍しています。

その代表例が、冠婚葬祭における送迎車です。結婚式では、新郎新婦や親族が式場と披露宴会場を移動する際などに利用されます。純白のウェディングドレスを着た花嫁でも、広々としたアルファードなら窮屈な思いをすることなく、優雅に乗り降りできます。

また、葬儀の場面では、故人の親族や遠方からの参列者を火葬場や斎場まで送迎する役割を担います。黒塗りのアルファードはフォーマルな場にもふさわしく、静かで厳かな移動空間を提供します。

さらに、企業の重要な顧客を工場見学や視察に案内する際の移動手段としても最適です。乗り心地が良く、高級感のあるアルファードで送迎することは、相手企業に対する最高のおもてなしの表現となります。

このように、単なる人の輸送にとどまらず、特別なシーンでの「おもてなし」を演出する役割を担っているのが、タクシー以外の緑ナンバーアルファードの姿です。

霊柩車として利用されるケース

緑ナンバーアルファードの用途の中で、最も特殊なものが「霊柩車」としての利用です。

従来の霊柩車といえば、宮殿のような装飾が施された「宮型霊柩車」や、ステーションワゴンをベースにした「洋型霊柩車」が一般的でした。しかし近年では、葬儀の形式が多様化し、よりシンプルで目立たない形を望む遺族が増えています。

そこで注目されているのが、アルファードをベースにした霊柩車です。このタイプの霊柩車は、後部座席部分を改造して棺を納めるスペースを確保しつつも、外観はほとんど通常のアルファードと変わりません。そのため、火葬場へ向かう際などに、周囲の目を過度に引くことなく、故人を静かに送り出すことができます。

もちろん、遺体を乗せて運賃を受け取る運送事業となるため、緑ナンバーの取得が必須です。高級感と威厳を保ちながらも、現代のニーズに合わせた控えめな佇まいを持つアルファードは、故人との最後の旅路にふさわしい車両として、葬儀業界でもその存在感を増しています。

緑ナンバーアルファードの取得と運用の実情

  • 個人で緑ナンバーを取得するには
  • 運用するメリット・デメリット
  • 中国人ドライバーが運行する背景
  • 緑ナンバーの車検や維持費
  • 緑ナンバーアルファードの総括

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個人で緑ナンバーを取得するには

個人事業主として、アルファードを使って緑ナンバーの事業(ハイヤーや個人タクシーなど)を始めたいと考える方もいるかもしれません。しかし、個人で緑ナンバーを取得するためのハードルは非常に高いのが実情です。

まず、事業許可を得るためには、最低5台以上の事業用車両を確保する必要があります(地域による例外あり)。個人でアルファードを5台用意するのは、資金的に極めて困難と言えるでしょう。

次に、運行管理者と整備管理者の選任が必須です。運行管理者は国家資格であり、整備管理者も資格か実務経験が求められます。自身で資格を取得するか、有資格者を雇用しなければなりません。

さらに、十分な自己資金の証明も必要です。事業計画を立て、車両購入費や運転資金、保険料などを含め、事業を安定して運営できるだけの資金(数千万円規模)があることを証明しなくてはなりません。

これらの厳しい要件から、現実的には個人が全くのゼロからアルファードで緑ナンバー事業を始めるのは非常に難しく、多くは既に許可を持つ法人に所属する形で事業に関わることになります。

運用するメリット・デメリット

アルファードを緑ナンバー車両として運用することには、大きな可能性がある一方で、相応のリスクや負担も伴います。事業として導入を検討する際には、メリットとデメリットの両方を正しく理解しておくことが不可欠です。

#### メリット
高い収益性: アルファードの高級感と快適性は、高い単価設定を可能にします。特にVIP送迎や観光ハイヤーなどの分野では、一般的なタクシーよりもはるかに高い収益を上げることが期待できます。

高い需要: 富裕層や訪日外国人観光客、法人など、質の高い移動サービスを求める顧客からの需要は安定しており、事業として成り立ちやすい環境があります。

顧客満足度の向上: 「アルファードで送迎された」という体験は、顧客にとって特別な価値を持ち、リピート利用や企業のイメージアップに繋がります。

#### デメリット
高額な初期投資と維持費: 車両価格そのものが高額であることに加え、事業用保険料や専門的なメンテナンス費用など、白ナンバー車に比べて維持費が大幅に増加します。

厳格な法令遵守: 運転日報の記録や定期的な点検・車検など、法律で定められた管理義務を徹底する必要があり、管理コストと手間がかかります。

人材確保の難しさ: 質の高いサービスを提供するためには、運転技術や接客スキル、場合によっては語学力も備えた優秀なドライバーを確保する必要があります。

中国人ドライバーが運行する背景

緑ナンバーアルファード
近年、特に都市部の観光地などで、中国人ドライバーが運転する緑ナンバーのアルファードを見かける機会が増えています。この背景には、急増する中華圏からの訪日観光客(インバウンド)の存在が大きく影響しています。

多くの中国人観光客は、団体ツアーではなく、家族や友人グループでの個人旅行を好む傾向があります。彼らにとって、日本の公共交通機関は複雑で、大きな荷物を持っての移動は大変です。そこで、母国語である中国語が通じ、空港からホテル、観光地までをドアツードアで快適に移動できる、貸切のアルファードハイヤーの需要が非常に高まっています。

このニーズに応える形で、中国語が堪能なドライバーを雇用し、インバウンドに特化したサービスを提供する運送事業者が増えているのです。

一方で、この需要の高まりは「白タク」行為の温床となる問題も抱えています。白タクとは、緑ナンバーの営業許可を得ずに、自家用車(白ナンバー)で有償の送迎サービスを行う違法行為です。一部のドライバーがSNSなどを通じて個人的に客を集め、無許可で営業を行うケースが後を絶たず、安全面やトラブル時の補償が問題視されています。

正規の緑ナンバー事業者は、こうした違法行為と区別されるためにも、コンプライアンスを遵守し、質の高いサービスを提供することがより一層求められています。

緑ナンバーの車検や維持費

緑ナンバーのアルファードは、自家用車(白ナンバー)と比較して、車検制度や維持費の面で大きな違いがあります。事業用車両として、より厳格な管理が法律で義務付けられているためです。

#### 車検の期間
白ナンバーの乗用車は、新車登録から初回が3年、以降は2年ごとに車検を受けます。しかし、緑ナンバーの乗用車(ハイヤーなど)は、初回から2年、以降は1年ごとに車検を受けなければなりません。毎年車検が必要となるため、その分の費用と手間が増加します。

#### 税金・保険料
自動車税や重量税といった税金は、事業用であるため自家用車よりも安く設定されています。しかし、保険料は大きく異なります。事故のリスクが高いとみなされるため、自賠責保険料は自家用車の約2倍、任意保険料も同様に高額になります。

#### メンテナンス費用
年間走行距離が長くなる傾向にあるため、タイヤやオイル、ブレーキパッドといった消耗品の交換サイクルも短くなります。また、常に乗客を乗せるため、内外装をきれいに保つための清掃やメンテナンス費用もかさみます。

これらのコストを総合すると、緑ナンバーアルファードの年間の維持費は、白ナンバーの同型車に比べて大幅に高額になります。事業として運用する際には、これらのコストを正確に把握し、事業計画に織り込むことが不可欠です。

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緑ナンバーアルファードの総括

ポイント

    緑ナンバーのアルファードは有償で旅客を運ぶ事業用車両

    主な用途は役員送迎やVIP対応のハイヤー

    新型アルファードタクシーとして最大6人乗りの送迎サービスも登場

    広い室内空間と快適性から芸能人の移動車としても高い人気

    タクシー以外の用途として冠婚葬祭の送迎や霊柩車にも利用される

    緑ナンバーの取得には5台以上の車両や有資格者の選任など厳しい条件がある

    個人がゼロから緑ナンバーを取得するのはハードルが非常に高い

    運用するメリットは高い収益性と安定した需要

    デメリットは高額な初期投資と維持費、厳格な管理義務

    インバウンド需要に応えるため中国人ドライバーが運行するケースが増加

    一方で白タクなどの違法行為も問題となっている

    緑ナンバーの車検は初回2年、以降は毎年1回と頻度が高い

    税金は安いが、自賠責保険や任意保険の保険料は割高になる

    走行距離が長くなるため、消耗品の交換などメンテナンス費用もかさむ

    緑ナンバーアルファードは特別な移動体験を提供する価値ある存在

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